室内飼いでの猫の健康維持
我が家には5匹の猫がいます。どの猫も元は迷い猫や捨て猫でしたが、今ではすっかり落ち着いて家族の一員です。うちは旦那さんと私の2人暮らしなので、ペットというよりは子どもという感じかもしれません。うちではやたらと甘やかしたり高級キャットフードを与えるとかはしませんが、健康にだけは気を付けています。今では日本においても猫は室内飼いが推奨されるようになりました。これは交通事故や迷子、他の動物からの感染症などから猫を守るという意味では正しい飼い方です。しかしデメリットもあります。それは運動不足です。外出が自由にできる従来タイプの飼い猫と比べると、室内飼いの猫はどうしても運動不足になりがちで、その結果、筋肉不足や内臓の機能不全などを起こしやすく、さらにはストレスを抱えやすくなり、より健康維持に気を配らければならないと言われています。
理想の猫用リフォーム
猫の運動不足を解消できる家のデザインってどういうものなのでしょうか。猫は水平方向に移動することはあまりせず垂直方向の運動を好む動物です。つまり床から天井にかけて動けるようなキャットタワーか猫用階段があれば、猫としてはついついそこを上り下りしたくなるということなんです。さらに猫は警戒心が強いという習性がありますので、上から部屋全体を見下ろすポジションで休憩したり、そこをパトロールすることを日課にします。ということでキャットタワーと猫用階段の先に、さらに天井付近に猫用回廊を作ってあげることで猫の行動範囲は立体的になり、総じて動く距離が増えて運動不足が解消されるということなんです。もし2階建住宅であれば住宅の一部に猫用の吹き抜けを、例えば縦2m×横2m×目一杯の高さ、を設けることで垂直方向の移動空間は一気に倍増し、猫にとってのアドベンチャーワールドが完成します。
猫にとっての幸せ空間は人間にも心地よい
さて、そんな猫用住宅にリフォームすると幸せになるのは猫だけでしょうか。いえいえ、そんなことはありません。猫用吹き抜け空間や人の手がすぐに届かない高い場所は、実は家のおしゃれの可能性を無限に高めてくれる未知の設計空間なんです。ディスプレイ棚やFIX窓(はめ殺し窓)、間接照明などは見ているだけで心を豊かにしてくれますし、優雅な猫の上下移動はまるで猫カフェみたいで日常から解放してくれます。他にも、本棚かクローゼットの一番下を猫トイレスペースに改装するのもコロンブスの卵ですよ。猫にとっては落ち着くトイレになることは間違いないですし、プラスチック製の猫トイレを部屋に置くことがいかに景観をダメにしていたかが実感できます。猫との共同空間を創造的にデザインして、愛猫と一緒の幸せを満喫しましょう。最近はペットとの家づくりを専門とするデザイナーも多いのでご相談してみては。