不動産の売却とその価格
賃貸物件であれば住み替えはよくあることですが、マイホームとして不動産を購入した場合、その付き合いが一生ものになることも珍しくはありません。しかし、定年をきっかけに田舎への移住を考えたり、子どもの成長に伴い広い家を持ちたいなど、持ち家であっても住み替えを考えるタイミングというものがあります。この場合、不動産として所有している住宅を売却することもあるでしょう。
住宅の売却にあたり、必ず検討することになるのが売却価格です。不動産は資産として大変高額なものであり、また地域や時代によっても大きく変動するため、その判断は大変難しいものといえます。また、その正解を導き出す合理的な手法などは存在しません。不動産価格に対する基本的な考えかたを学び、専門家と相談をしながら価格査定について丁寧に検討する必要があるでしょう。
仲介を依頼する不動産会社の選択
住宅の売却を何度も経験するという人は少ないでしょう。それだけに、人生の重大イベントとして丁寧に事を進めるべきです。不動産の売却取引には法律や税金などの専門知識が必要となるため、専門家である不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。この場合、会社の基本情報などを調べ、その特徴についても加味したうえで慎重に不動産会社を選択します。会社の規模や知名度のみで判断するのは短絡的でありお薦めできません。インターネットで評判を参考にしたり、不動産会社の担当者とコミュニケーションを取るなどをしたうえで、後悔をしないよう総合的な判断をしましょう。
購入希望者との交渉について
やがて、不動産会社の広告などを通じて購入希望者が現れます。この時点ですぐに契約成立、とはもちろんいきません。売買における実際の購入価格や代金の支払い方法、引き渡し日といった様々な条件について、売り主側と買い主側ですり合わせをする必要があります。このような各種条件についての調整は当人同士でおこなうわけではなく、基本的には不動産会社を通じての交渉になります。例えば、売り主が不動産会社Aに仲介を依頼しており、買い主が不動産会社Bに仲介を依頼していた場合、不動産会社Aと不動産会社Bによって交渉を進めることになります。もちろん、双方が同じ不動産会社に依頼しているケースもあります。条件について双方が合意した後、売買契約が締結されます。この契約はいったん締結されると簡単には解除できないため、条件について慎重に交渉をする必要があります。